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情報保存Q&A 12.大型資料の撮影とデジタル化

Q1  大型資料の撮影は必要なのですか?

大きな資料はそれだけで取り扱いがむずかしく、保存・管理・公開・利用などを簡単に行えるものではありません。しかし、公開・利用をすることは、利用者へのサービスですので、避けて通れない業務です。長い年月を経た原本、貴重な資料の現状を損なうことなく公開、利用するためには別な媒体にできるだけ正確に置き換える必要があります。そのために、原本に直接ふれることの少ない撮影作業を行うことは、保存・管理をした上で公開・利活用を行うためにも必要な作業です。

Q2  大型資料の撮影はどんな方法で行うのですか?

 

原本を傷めずに撮影を行うためには、原本に余分な力(重力を含めた)を加えることのない床置きで撮影を行うことが重要です。
正確に撮影するためには真俯瞰撮影の必要性があり、特に分割撮影の場合は原本を移動することなくカメラ側を移動するという方法をお奨めします。その場合、照明状態、カメラと被写体の距離、フィルム状態を変化させることの無い撮影を行わなければなりません。
これは、分割した画像を合成する場合の人為的な補正、修正を最小限にするためです。

Q3  大型資料の撮影とはどんなことをするのですか?

貴重資料の取り扱いは言うまでもなく、十分な配慮が必要です。資料によっては持ち出しができない場合も多くあり、その場合は出張撮影を行います。大型資料の撮影の場合、原本に負担をかけない作業を行うため、俯瞰撮影をします。撮影にはそれなりの大きな作業スペースが必要となります(幅・奥行き・高さ)。俯瞰撮影をする場合、原本の上部にカメラを置き作業をするため、機材は、堅固で安全性の高い架台(撮影台)を使用します。撮影には大判フィルム、またはデジタルカメラ(超高解像度)を用います。分割撮影をする場合は原本を移動したりするとシワ、折れ等の状況が変わる上、色再現も変わり同じ画像が異なった状態になり、画像を合成する時点で人為的な修正を多く行うことになります。そのため、原本は移動させず、カメラを移動する方法で撮影を行います。その場合、カメラは、原本との距離を変えず、原本上を正確に水平、平行に移動することが重要です。このような撮影を行うことで、最終的に公開・利用する画像をより原本に近い画像で利用者に提供できるようになります。最後に、大型資料の撮影は現存する資料の補完を行うためにも有効な手段であることを補足します。
(文責 会員企業 四国工業写真梶j


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