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 第10回資料保存シンポジウムの報告

情報保存研究会(JHK)・公益社団法人日本図書館協会 共催


「未来に遺す情報保存 ‐収集・保存・利活用‐」


 第10回資料保存シンポジウム「未来に遺す情報保存 ―収集・保存・利活用―」が情報保存研究会と日本図書館協会の共催、13の情報機関の後援で2016年10月3日に東京都千代田区の一橋大学一橋講堂中会議場(学術総合センター)において開催されました。図書館、公文書館、文書館、博物館、企業資料室の方々170名余が参加し、情報保存、デジタル・アーカイブについて情報交換をしました。ご参加いただきましてありがとうございました。 シンポジウムの特別講演では、5名の講演をいただきました。会場横のロビーでは16社の会員企業による貴重書の修復、保存箱、脱酸、デジタル化、長期保存記録メディアなどの展示会、12社の実用講座プレゼンテーションがあり、具体的な企業の取り組みが展示されました。 9時から18時までほとんどの参加者が熱心に聞いて下さる中、日本図書館協会の森理事長より、「実際に書物や古典籍等を日々扱っている館の方々とそれを支える企業の方々のコラボレーションは素晴らしいものであり、一緒にやれることがうれしい」との閉会の挨拶でシンポジウムを終えました。また次回も同じような時期に開催する予定です。ご期待ください。

  日 時: 平成28年(2016年)10月3日(月) 9:20 開場 〜 18:00 終了

  場 所: 一橋大学一橋講堂中会議場 学術総合センター2階 (東京都千代田区)

          〒101-8439 東京都千代田区一ツ橋 2-1-2 学術総合センター内 アクセスMAP


  特別講演 :10:00〜10:50
   「歴史的典籍NW事業の目指すもの」
       講師 国文学研究資料館 古典籍共同研究センター 山本和明氏
要旨

 国文学研究資料館では、現在、大規模学術フロンティア促進事業「日本語の歴史的典籍の国際共同研究ネットワーク構築計画」(歴史的典籍NW事業)が進行している。2014年から10年にも及ぶこの事業は、人文社会学で初めて採択されたものである。事業の目指すところは大きく言って二点。一つは、資料撮影やマイクロフィルムより、三〇万点におよぶ歴史的典籍の画像データを作成し、広く研究者などの利活用を促進すること。もう一つは、国内外の研究機関との間で国際共同研究、異分野融合研究を具体的に推進し、共同研究体制を構築すること、である。  2017年4月を目途に、この事業の基盤ともなる公開系システムをスタートさせることにしているが、まだ十分にこの事業の意義が知られているとは言いがたい。本発表では、歴史的典籍NW事業が何を目指しているのか、これまでの三カ年で何を達成したのかを具体的にお示しし、30万点に及ぶ古典籍資料のデジタル公開がもたらす可能性、今後の目指す方向性を可能な限り提示したいと考えている。


  特別講演 :11:00〜11:50
   「大学院博士後期課程を持つ大学が作成する
      デジタル・アーカイヴのありかたについて・・・・日本大学における経験から」
       講師 日本大学芸術学部 木村三郎氏

 大学院生が制作に関わるデジタル・アーカイヴには、高度な教育的意味が生まれる。たとえば、芸術学部の場合、修士論文・制作、博士論文への基礎訓練となり、できあがったものが、授業中にスマホで閲覧が可能になり、ゼミでの教科書としての意味を持つ。公開されたアーカイヴに、関連した論文を発表することも可能で、公開性も高く、大学院生の業績としての価値を持つ。育てつつ、制作するという関係が成り立ち、その最も成功した事例が、打林俊氏のケースである。


  「絵画複製写真のデジタル・アーカイヴ化と美術史研究における活用の可能性」

       講師 日本学術振興会特別研究員(PD) 打林 俊氏
 要旨

 近年、歴史的資料の保存や文化資源の幅広い公開・共有という観点からデジタル・アーカイヴは世界的に進んでいる。その展開は図書館や文書館をはじめとして、美術館・博物館、教育・研究機関においても盛んである。対象は当然のことながら書籍や書類などの紙媒体にとどまらず、絵画をはじめとする美術作品にも及んでいる。こうした動向を美術史や写真史の研究の観点から見ると、これまでデジタル・アーカイヴ化をおろそかにされてきた資料群がある。それは、美術史・写真史のいずれの分野からも作品とは見なされてこなかった絵画複製写真である。  本発表では、ヨーロッパや日本の公的機関に所蔵される絵画複製写真群の具体例を挙げつつ、その目録化・公開を行うべき意義と、視覚文化史に関わる研究における絵画イメージの伝播、流通を跡づけることのできる資料としての活用の可能性を考察する。加えて、現代の研究者たちがフィルムの時代に研究資料として収集してきたスライド(ポジフィルム)を今後どのように活かすべきかについても、現代の絵画複製写真をめぐる身近な事例として、歴史的資料の活用との関連性を考えていきたい。


  特別講演 :13:20〜13:50
   「目録整備の重要性と配慮すべき視点〜資料保存・管理・活用の側面から」
       講師 文化庁文化財部美術学芸課 美術館・歴史博物館室  松本純子氏
 要旨

 博物館・文書館等の資料保存機関において、収蔵品目録(台帳)の整備はあらゆる活動の基盤といえる。現在では、書誌情報のみならず画像もあわせたデジタルによる台帳整備やデジタル画像アーカイブが構築されつつあるが、整備・運用にあたって課題も見受けられる。  ここでは、資料保存機関が優れた美術品や文化財等を積極的に保存・公開するための目録整備等に際し、モノそのものの保存・管理と目録(台帳・アーカイブデータ)の長期保存等にむけて、資料保存機関のマネジメント上配慮すべき視点等に触れる。


  特別講演 :14:00〜14:50
   「風化金石文撮影の意義と解析型アーカイブ」
       講師 神戸学院大学 現代社会学部 上椙英之氏
 要旨

 歴史資料としての石碑は、東日本大震災の折、過去の津波の到達場所に在り「これより下の土地に家を立てるな」との警告を記した石碑が人々を救ったことでその価値が見直されてきている。しかし、石碑のほとんどは屋外に在り、長期にわたって風化作用の為、文字情報はいずれ消滅してしまう。また通常撮影では金石文の判読が難しい場合が多く、単純に撮影するだけでは適切なアーカイブは望めない。また位置情報が重要な意味を持つ資料であり、保管も難しい。このように、早急なデジタル 化が望まれる歴史資料でありながら、アーカイブの為には解決すべき課題は多い。 近年では3Dスキャナによる,3次元形状の復元が可能となり、文化財のデジタル化に大きな役割を果たしているが、フィールドに無数に存在する石碑のアーカイブに適用するには、現実的ではない。  本発表では、上記のような石碑のアーカイブが抱える問題と、それを解決する為の、デジカメによる簡便なデータ取得と、石碑の多様な保存条件に対処するための解析型のアーカイブについて提案する。


  資料保存実用講座:15:00〜17:30
      情報保存研究会の出展企業による資料保存にかかわるさまざまなツールや
     システムについての総合的なプレゼンテーション

    企業展示:10:00〜18:00
      情報保存研究会の会員企業などによる企業展示

    後援:
     全国歴史資料保存利用機関連絡協議会、国立大学図書館協会、私立大学図書館協会、
     全国大学史資料協議会、文化財保存修復学会、ARMA東京支部、企業史料協議会、
     記録管理学会、日本アーカイブズ学会、アート・ドキュメンテーション学会、
     専門図書館協議会、デジタル情報記録管理協会、日本写真学会 (順不同)

   

第9回資料保存シンポジウムの報告

             情報保存研究会(JHK)・公益社団法人日本図書館協会 共催


情報保存研究会(JHK)と公益社団法人日本図書館協会は、これまで8回に渡り、資料保存というテーマでシンポジウムを開催してまいりました。おかげさまでいずれもご参加の方々からはご好評をいただきました。 9回目を迎えた今回のシンポジウムは、「後世に伝えるための資料保存とデジタルアーカイブ ―資料の保存と今後の展望―」というテーマで開催いたしました。
今回は国立公文書館 加藤館長の基調講演と特別講演として関西大学総合情報学部 准教授 研谷紀夫氏、東京都立中央図書館資料保全専門員 眞野節雄氏の2名の講師の方々より、日々取り組んでいる課題についてお話をしていただきました。 また、ご好評をいただいています資料保存実用講座もシンポジウムの後半に設け、資料保存にかかわるさまざまなツールやシステムなどについて、出展企業から総合的にプレゼンテーションをさせていただきました。

              
  
 

テーマ   「後世に伝えるための資料保存とデジタルアーカイブ」
              −資料の保存と今後の展望−

 

開催日   2015年10月5日(月)  9:50 〜 18:00

 

        参加費:無料  定員:200名  座席:自由
        会場:一橋大学 一橋講堂中会議場 (学術総合センター2階)
        東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター内
        地下鉄神保町駅より徒歩4分・地下鉄東西線竹橋より徒歩4分

          

基調講演 「公文書の重要性と次世代に伝えていくことの大切さ」
  13:15〜14:00 国立公文書館 館長 加藤丈夫氏

                                    

 わが国の公文書館はその設立の経過によりさまざまな役割を担っているが、公文書館としての最も重要な機能は、国や 自治体が作成した公文書を大切に保存・管理し、これを広く国民の利用に供することである。すなわち人々の暮らしに影響を及ぼす社会の決まり(法律や政令・条例など)について、その内容とそれが成立した経過を次世代の人たちが検証できるようにする仕組みが民主主義を支えるということである。  近年わが国でも公文書管理の重要性が認識されるようになり、2011年には公文書管理の基本ルールを定めた「公文書管理法」が施行されたが、欧米の先進諸国に比べればその体制はかなり立ち遅れており、この充実に取り組むことが喫緊の課題となっている。この中で保存資料のデジタル化を進め、インターネットを通じて「だれでも、いつでも、どこでも自由に利用できる仕組み」を作ることは体制整備の中心テーマとなるが、これを推進するには国や地方公共団体をはじめ民間の企業や学会その他の団体相互の緊密な協力が必要となる。

 

特別講演 「表象文化研究とデジタル文化資源」
  10:00〜10:50 関西大学総合情報学部 准教授 研谷紀夫氏

                 
  

 日本では古代から現代に至るまで、豊かなヴィジュアル文化を育んできており、平安期の王朝絵巻や、近世の浮世絵だけでなく、現代の絵画、写真、映画、マンガ、アニメーション、ゲーム、VRなど、膨大なヴィジュアル文化資源の蓄積がある。こうしたヴィジュアル文化に関する研究は、これまで美術史学の分野で扱われることが多かったが、近年では表象文化研究やヴィジュアルスタディーズなど、より幅の広い観点から、学際的な研究が進められています。  一方、こうしたヴィュアル文化資源のデジタル化と公開が様々なところで取り組まれており、今後は多様な研究分野において活用されることが期待されています。  本発表では、近代のヴィジュアル文化資源の一つである「写真」を対象とする、最新の研究動向を踏まえ、「写真」に関するデジタル文化資源が様々な研究に活用されるために、どのようなかたちで情報化がなされ、どのように活用されるべきかについて解説します。

 

特別講演 「大津波からよみがえった郷土の宝
              -陸前高田市立図書館 郷土資料の修復-」

  11:00〜11:50 東京都立中央図書館資料保全専門員 眞野節雄氏

                 
    

 都立中央図書館では、東日本大震災により被災した岩手県陸前高田市立図書館所蔵の郷土資料を修復しています。 昨年、当セミナーで「災害から資料を守り、救うために」と題して、都立図書館の「資料防災マニュアル」について報告させて いただきました。その際に、この陸前高田市立図書館のことにも少し触れましたが、その後、今年3月、第1次として受け入 れた被災資料の修復が終わり、陸前高田市立図書館に返還しました。今回は、その救出から返還までの過程、特に修復過 程を詳しく報告します。そして、そのなかから見えてきた、図書館資料を保存することの意義、現物を残すことの意味を考え てみたいと思っています。

  なお、第1次受入資料の返還を記念して記録動画を製作しました。
「大津波からよみがえった郷土の宝―陸前高田市立図書館郷土資料の修復」(15分)
 (日本語版)  https://www.youtube.com/watch?v=2YT0uGFYhAc
 (英語版)   https://www.youtube.com/watch?v=q4M-N3K3IpY

   

企業展示と資料保存実用講座
  14:10〜17:30 情報保存、修復、デジタル化のエキスパートが日頃の技術を発表しました。

                 
    

 今年も企業展示コーナーを設けて参加者と企業の技術員が具体的な話を展開していました。また、展示に出店できなかった企業のカタログを集めた「カタログコーナー」を作りました。プレゼンテーションでは情報保存、修復、デジタル化のエキスパートが日頃の技術を発表しました。

 

 

後援・・・多くの後援を頂きました。心より感謝いたします。

  全国歴史資料保存利用機関連絡協議会、国立大学図書館協会、私立大学図書館協会、
 文化財保存修復学会、ARMA東京支部、企業史料協議会、記録管理学会、
 全国大学史資料協議会、日本アーカイブズ学会、日本写真学会、専門図書館協議会、
 アート・ドキュメンテーション学会、デジタル情報記録管理協会(順不同)





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第8回資料保存シンポジウムのお礼


  情報保存研究会は、2014年10月20日(月)に東京・上野の東京国立博物館平成館において、公益社団法人 日本図書館協会と共催で第8回資料保存シンポジウムを開催いたしました。
 今回も大勢の方々に参加頂きましたことを心よりお礼申し上げます。


 第8回のテーマは「資料の保存とデジタルアーカイブについて−現在の取り組み、今後の課題−」と題しましてデジタル情報時代のアーカイブ、危機管理と修復、災害からの保存など産官学を通した広範囲な見地からシンポジウムを開催いたしました。
 特別講演では3名の先生方にデジタル情報時代に即したリアルで貴重な講演をいただきました。 またラウンジでは、資料保存の企業展示を行いました。今年も会員企業にあわせて会員企業以外の資料保存関連企業の皆さまにも出展いただきました。以下に講演の要旨を掲載いたします。


講演に伴い涛声学舎 多仁照廣様からの最新情報を掲載いたします。(感謝)

 

  来る2015年4月4日(土曜日)に、敦賀市旧葉原小学校において、敦賀市三島八幡神社敦賀郷土博物館に収蔵される縄間斉藤家文書の修復が終了しましたので、その完了のお披露目会を催します。
 市内外の市民や昭和女子大学の院生学生も参加されて修復作業を行いました。
みなさまにお知らせいただければ幸いです。(涛声学舎 多仁照廣)

特別講演 「東京都立図書館資料防災マニュアルについて」
 東京都立中央図書館資料保全専門員 眞野節雄氏

 未曽有の東日本大震災は言うに及ばず、近年、集中豪雨による水害が全国各地で増えてきているように感じる。資料を扱う機関の資料防災・減災に対する関心も高まってきている。そもそも、資料保存において、防災・減災は大きな柱のひとつであり、教科書的な文献も多い。ところが、その中で求められている各々の機関における「マニュアル」作成については、一向に進んでいないように思う。 「教科書」はあるが、いざという時の「マニュアル」がない。  都立図書館でも、マニュアル作成は以前よりの懸案事項でありながら進んでいなかった。しかし東日本大震災を受けて、まずは、「明日にでも発生するかもしれない災害」に対しての「準備」「緊急対応」を中心としたマニュアルを平成25 年度に策定した。  このマニュアルには次のような特徴がある。
@ 資料が受ける被害からの視点でマニュアルを作成
A 水濡れ、落下による資料破損、ガラス飛散に対する緊急度は同一ではないことを明記
B 水濡れ資料の対応について、塗工紙への対応に着目
これらの特徴について解説し、また、水濡れ資料の救済時に必要な道具類をまとめ館内に配置している「被災資料救済セット」や、陸前高田市立図書館の被災郷土資料の修復についても触れたい。


特別講演 「災害を前提とした文化財保護対策の構築 ―日本学術会議提言によせて―」
 熊本大学文学部教授 木下尚子氏

 本年6 月、日本学術会議は、災害を前提とした文化財保護対策についての提言を公にしました。(日本学術会議は学術の成果を社会に生かすことを目的に1949 年に設立された組織で、内閣府に所属していますが政府とは独立した特別の機関です。この「提言」は学術会議の「文化財の保護と活用に関する分科会」が作成したもので、わたしはこの分科会の委員長として作成に係わりましたので、今回はその内容を、資料保存の視点からお話し申し上げます。
提言概要は以下の通りです。
(1) 文化財の防災と救出に向けた国レベルの常設機関の必要性と期待される業務
 ・行政と文化財関連団体との連携・協力
 ・文化財データの組織的整備
 ・放射能汚染をうけた文化財の救援
(2) 文化財専門職員配置の必要性
 ・文化財防災・救援の要としての役割
 ・地域の伝統的精神性の存続を担保する役割
 ・復興に伴う地域づくりへの貢献
(3) 災害遺構保護の必要性
(4) 被災文化財救援における大学の役割
講演では(1) を中心にお話しし、9 月1日に独立行政法人国立文化財機構において発足した「文化財防災ネットワーク推進本部」に期待する役割についても述べたいと思います。


特別講演 「文化財未指定の古文書修復の必要性 ―具体的対応と問題点について―」
涛声学舎 舎主(元敦賀短期大学教授)多仁照廣氏

 「多仁式漉き嵌め修復法」開発の動機には、歴史学としては見捨てられた研究主題であった地域の若者・青年集団史および地域史研究への取り組み、保存指定のない文書で国家の危機を救った経験を含む国税庁税務大学校租税資料室(現、税務情報センター租税史料室)研究調査員として経験してきた史・資料との関わり、原発があっても過疎の進む北陸地方の小さな短期大学日本史学科での「字」史研究と教育の経験、などがあった。
 技術的な特色は、CANON EOS DCS3(1995 年発売、導入)から始まったデジタルカメラ使用の調査法の開発、デジタルカメラの修復技術への応用、雁皮栽培を含む原料からの和紙製造技術開発にある。
 2004 年7 月の福井水害を契機に「福井史料ネットワーク」副代表として災害被災資料の課題に取り組み、2010 年からは科研S「大規模自然災害時の資料保全論を基礎とした地域歴史資料学の構築」(代表、奥村弘神戸大学教授)共同研究者(現在は、連携研究者)として被災資料の修復と地域課題に取り組んでいる。
 消滅集落が増加する現状下で、世界の学者が、これこそ日本の誇る“世界遺産” と指摘する民間所蔵の文化財未指定史料の多くは消滅と散逸の危機にある。その救出は喫緊の国民的な課題である。
 (YouTube動画) 


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第7回資料保存シンポジウムのお礼


  情報保存研究会は、2013年10月21日(月)に東京・上野の東京国立博物館平成館において、(社)日本図書館協会と共催で第7回資料保存シンポジウムを開催いたしました。
今回も大勢の方々に参加頂きましたことを心よりお礼申し上げます。



 第7回のテーマは「広がる資料保存の取り組み −高まる意識の中で− 」と題しましてデジタル情報時代、危機管理とセキュリティ、災害からの保存など産官学を通した広範囲な見地からシンポジウムを開催いたしました。
 特別講演では3名の先生方にデジタル情報時代に即したリアルで貴重な講演をいただきました。 またラウンジでは、資料保存の企業展示を行いました。今年は会員企業にあわせて会員企業以外の資料保存関連企業の皆さまにも出展いただきました。以下に講演の要旨を掲載いたします。



特別講演「現代日本の資料保存活動と2011 年の意義」
 筑波大学図書館情報メディア系 知的コミュニティ基盤研究センター 准教授 白井 哲哉氏

 現代日本の資料保存をめぐる動向は、2011 年3 月11 日の東日本大震災の経験と、同年4 月1 日の公文書管理法施行の、二つの画期によって特徴づけられる。前者からは被災資料の救出体勢の整備や、重要な文書・記録類に対する分散保管の重要性への認識が進んだ。後者からは文書管理システムに対して重要資料の選別収集及び永久保存の提起が行われ、さまざまな取り組みが進み始めた。講演では、これら二つの画期を20 世紀後半期からの動向の延長上に捉え、その具体相と意義、問題点等について論じる。前者については文化庁による「文化財レスキュー事業」における実践から浮上した資料保存の課題を述べ、後者については資料保存の観点から公文書管理法の意義と課題を述べる。両者とも、従来の保存システムに対する再検討と物理的な保存対策の両側面を求める動きと言うことができよう。さらに両者の画期の接点に位置すると言える、被災自治体の公文書等の保全活動についても言及する。最後に、現代日本で資料保存活動を進めていく上では「原資料を可能な限り安全・確実に後世へ伝えていく」という関係者の強い使命感が重要であると指摘する。


特別講演「公文書管理法施行から2 年半〜浮上した課題はなにか」
 都留文科大学非常勤講師 瀬畑 源氏

 2011 年4 月に施行された公文書管理法によってなにが変わったのだろうか。国立公文書館や宮内庁宮内公文書館などでの開示・不開示基準が明確化され、開示までの期間も大幅に短縮された。また、各自治体での公文書管理条例制定も徐々にではあるが増えてきている。
 しかし、2012 年には原子力災害対策本部の議事録未作成問題が世間を賑わしており、公文書管理のずさんさが未だに残っていることがうかがえる。また、自民党政権の下で特定秘密保護法案の策定といったような公文書管理法と逆行する動きも活発化しており、まだまだ公文書管理法が定着したとは言い難い。
 本講演では、管理法施行から現在までの2 年半、公文書管理法はどのような影響を各所に及ぼしたのかを、主に民主党、自民党政権下における政治の動きを中心に考察してみたい。公文書管理法の見直しがなされる施行後5 年は、それほど遠い未来ではない。問題を共有し、具体的にどのような働きかけを各所に行っていけばよいのかをともに考えていきたい。


特別講演「図書館員に必要とされるデジタルアーカイブ開発の能力」
 京都橘大学現代ビジネス学部教授 谷口 知司氏

 図書館サービスに求められる新たな視点が提示されたり、MLA連携など、図書館そのものの機能や、図書館が置かれている環境の変化には著しいものがあります。当然こうした動きは、そこで働く司書のもつ機能や役割、業務の拡大を伴うものであり、そのために新たな知識や技術を習得する必要があります。
 その際、デジタルアーカイブはその中心的要件として常に取り上げられています。
 本講演では、このデジタルアーカイブを二つの視点から論じます。最初は、図書館の所蔵資料の情報化の視点から、NPO 法人コンサウェルが公開した「古典籍、古文書、洋稀覯本等のデジタル化ガイドライン」を手掛かりにし、図書館員にとって必要なデジタルアーカイブ開発に関わる知識や能力について言及します。 二つ目の視点として、今後、地域において図書館が積極的に支援していくべき重要な課題である、地域資料の情報化や地域住民主導型デジタルアーカイブを取り上げ、図書館がそこにどのように役割を果すべきなのか、また図書館員の皆さん方がそれをどのように支援していくのかについて私の考えを述べたいと思います。


 次回、第8回資料保存シンポジウムをご期待ください。



第6回資料保存シンポジウムのお礼



  情報保存研究会は、2012年10月22日に東京・上野の東京国立博物館平成館において、(社)日本図書館協会と共催で第6回資料保存シンポジウムを開催しました。
当日は、さまざまな情報保存機関や企業などから多数のご参加をいただきました。


シンポジウムの特別講演では、「資料保存の最新事情―さまざまな取り組みの中から―」というテーマのもとに、 3名の講師(神庭信幸氏=東京国立博物館、佐藤大介氏=東北大学、橋本直子氏=葛飾区郷土と天文の博物館)よりお話をしていただきました。
講師の方々からは昨年3月の東日本大震災によって被災した文化財や各種資料のレスキューの実際、関東平野における歴史災害の検証と資料保存の観点からの教訓の継承などのお話があり、デジタル化などに加えて被災資料のレスキューなどまで、“資料保存という取り組み”は実に多岐に渡ることも改めて認識させられ、参加者には非常に参考になった講演でした。


シンポジウムでは、昨年と同様、資料保存実用講座も開かれて、資料の保存と活用に欠かすことができないツールやシステムなどについて会員企業からプレゼンテーションが行われたほか、会員企業による展示コーナーも設けられましたが、ご参加の方々からはいずれもたいへん業務の参考になったというお声をいただきました。
シンポジウムを盛大に開催できましたことをご参加の方々に厚くお礼申しあげますとともに、報告者の皆様、共催団体の日本図書館協会様、ご後援いただいた団体各位、開催準備に携わった多くの方々にもお礼申しあげます。

第5回資料保存シンポジウムのお礼

情報保存研究会は、2011年10月25日に東京・両国の江戸東京博物館において、(社)日本図書館協会と共催で「資料を護り継ぐ―平時も、非常時も―」と題した第5回資料保存シンポジウムを開催しました。当日は、公文書館をはじめとするさまざまな情報保存機関や企業などから多数のご参加をいただきました。
今回のシンポジウムでは、さる3月に発生した東日本大震災をふまえて、資料保存の原点ともいうべき「資料を護り継いでいくということ」を全体のテーマにかかげました。特別講演では3名の講師よりさまざまな観点からお話をしていただきましたが、平常時においても必要となる資料の長期保存に向けたさまざまな取り組みや実際に被災した資料を修復する具体的手法、さらには行政文書を管理するための共通ルールである公文書管理法の実際など、参加者にとっても非常に参考になる幅広い話が続き、中身の濃い内容でした。
また、前回に続いて今回のシンポジウムでも資料保存実用講座が開かれ、会員企業から資料の保存と活用にかかわるツールやシステムなどについてプレゼンテーションが行われたほか、例年どおり会員企業による展示コーナーも設けられましたが、ご参加の方々からはいずれもたいへん業務の参考になったというお声をいただきました。
シンポジウムを盛大に開催できましたことをご参加の方々に厚くお礼申しあげますとともに、報告者の皆様、共催団体の日本図書館協会様、ご後援いただいた団体各位、開催準備に携わった多くの方々にもお礼申しあげます。
情報保存研究会  会長  八木和久

 

第4回資料保存シンポジウムのお礼

  情報保存研究会は、2010年10月29日に東京・両国の江戸東京博物館において、
(社)日本図書館協会と共催で「デジタルアーカイブの最前線―現状と未来―」と題した第4回資料保存シンポジウムを開催しました。
当日は、公文書館をはじめとするさまざまな情報保存機関や企業などから多数のご参加をいただき、参加者は総数で276名に達しました。
シンポジウムでは最初に、昨今、著しい進展をみせているデジタルアーカイブに関して3題の特別講演があり、
「いつでも・どこでも・だれでも」利用できるようにという、基本的なキーワードを念頭においたさまざまな取り組みがご紹介されましたが、デジタルアーカイブを活用する上でとかく見落とされがちな著作権の重要性までをも含む内容でした。
ついで、情報保存研究会の設立10周年を記念した資料保存実用講座が開かれ、
会員企業による資料の保存と活用に関連したツールやシステムなどについてプレゼンテーションが行われました。
特別講演と資料保存実用講座のいずれについても、ご参加の方々からは、
日々の業務を進める上で非常に参考になったというお声をいただきました。
講演にあわせて、会員企業による展示コーナーも設けられましたが、
会場内の各ブースでは企業のスタッフと熱心に話を交わすご参加の方々が多く、たいへんな賑わいでした。
シンポジウムを盛大に開催できましたこと、ご参加の方々に厚くお礼申しあげます。

 
シンポジウム光景                         参加者でにぎわう会員企業による展示コーナー


第4回資料保存シンポジウム 『デジタルアーカイブの最前線―現状と未来』
情報保存研究会(JHK)・(社)日本図書館協会共催
  
シンポジウムチラシ(pdf 619KB)

日時: 2010年10月29日(金)10:00〜17:30(受付9:30)
参加費: 無料(定員300名) 申込締切:10月22日(金)
会場:江戸東京博物館1階ホール 〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1 
後援:全国歴史資料保存利用機関連絡協議会・国立大学図書館協会・私立大学図書館協会・文化財保存修復学会・ARM東京支部・企業史料協議会・記録管理学会・全国大学史資料協議会・日本アーカイブズ学会・専門図書館協議会・アート・ドキュメンテーション学会(依頼中も含む)

 

プログラム                                                         
9:30〜      受付
10:00〜10:10 JHKあいさつ
10:10〜11:00特別講演「国立公文書館デジタルアーカイブ」
国立公文書館 業務課 電子情報係 八日市谷哲生
11:00〜11:50 特別講演「デジタル・アーカイブとデジタル・アーキビスト―百年後への伝言―」   
常磐大学コミュニティ振興学部教授 坂井知志
11:50〜13:20 企業展示
13:20〜14:10 特別講演「国立国会図書館におけるデジタル化」
国立国会図書館 企画課 電子情報企画室 課長補佐 上綱秀治
14:10〜15:10 資料保存実用講座(その1)
15:10〜15:40 企業展示
15:40〜16:50 資料保存実用講座(その2)
16:50〜17:00 日本図書館協会あいさつ
17:00〜17:30 企業展示

資料保存実用講座(発表順)
四国工業写真株式会社: 移動式撮影台、デジタル撮影架台、劣化フィルム対策等について
株式会社インフォマージュ: 重要文化財等古典籍の撮影と画像検索システム
株式会社コスモスインターナショナル: TACベースフィルムの保存について
ナカバヤシ株式会社: 学術資料の電子化、解体から再製本まで
ナカシャクリエイテブ株式会社: 資料整理
株式会社マイクロテック: 簡単操作と高速スキャンで実現する書籍の電子化
フィルムルックス株式会社: 書籍用ブックカバー(糊なし)の設置実演
株式会社マイクロサービスセンター: 大容量画像の高速表示方式によるCD出版事例紹介
株式会社資料保存器材: デジタル化のための原資料の解体・復元・容器収納
株式会社ニチマイ: カラースキャニング機器のご紹介
株式会社国際マイクロ写真工業社: A-D Strips(フィルム酸性度測定紙)のご案内
株式会社プリザベーション・テクノロジーズ・ジャパン: ブックキーパー大量脱酸処理の技術と効果
日本ファイリング株式会社: 大量脱酸(DAE法)のご紹介
株式会社堀内カラー: 大型絵画資料のデジタル化(非接触型上面スキャナ)

企業展示(50音順)---11:50〜13:20・15:10〜15:40・17:00〜17:30                   
株式会社インフォマージュ: 貴重書のデジタル写真画像(パネル)と画像検索システム(パソコン)
有限会社紙資料修復工房: 保存修復処置のご案内
関東港業株式会社: くん蒸業務、書庫のクリーニング作業のパネル展示
株式会社国際マイクロ写真工業社: マイクロ保存用品の展示
株式会社コスモスインターナショナル: 写真資料の長期保存と活用の提案
四国工業写真株式会社: 移動式撮影台、デジタル撮影架台、劣化フィルム対策
株式会社資料保存器材: コンサベーション技術の紹介とアーカイバル容器の展示
特種紙商事株式会社: 保護紙、保護用品
ナカシャクリエイテブ株式会社: 資料整理、複製製作
ナカバヤシ株式会社: 修理と保存
株式会社ニチマイ: カラースキャニング機器のご紹介
日本ファイリング株式会社: 大量脱酸処理(DAE法)の効果について
フィルムルックス株式会社: 書籍・資料の補修・補強・保存用品の展示
株式会社プリザベーション・テクノロジーズ・ジャパン: ブックキーパー大量脱酸処理のご案内
株式会社堀内カラー: 大型絵画資料やガラス乾板などの古写真資料のデジタル化と保存について
株式会社マイクロサービスセンター: EzMaperを利用した大判資料保存事例紹介
株式会社マイクロテック: 最新型BOOK専用スキャナ
※展示会場では、シンポジウムに関連した図書の販売も行います。

第3回資料保存シンポジウムのお礼

情報保存研究会では、2009年10月16日、東京・両国の江戸東京博物館において、
(社)日本図書館協会と共催で第3回資料保存シンポジウムを開催しました。
当日は、公文書館をはじめとするさまざまな情報保存機関や企業などにおいて
資料の保存と活用にかかわっておられる方々、227名のご参加がありました。



シンポジウム会場

「資料保存を実践する―事例から学ぶ現場の知恵―」
と題したシンポジウムでは、2題の特別講演と4題の事例報告がありました。

会場ではなごやかなふんいきの中で講演が進みましたが、講演そのものは、中身が濃いものばかりで、
豊富な実体験に基づいた話が続きました。講演の中で取りあげられた題材が一般的な資料に加えて、
公的資料である公文書や古文書、書籍、写真、テレビ映像など、幅広いものとなり、
また対象場面も震災や風水害さらにはボランティア活動にまで及んで、
ご参加の方々からは、参考になるところが多く、充実した時間をもつことができたと、非常に喜ばれました。

シンポジウムでは、講演にあわせて情報保存研究会の会員企業による展示コーナーも設けられましたが、
会場内の各ブースの展示を見ながら担当のスタッフと熱心に話を交わすご参加の方々が多く、たいへん盛況でした。


企業展示

報告者の皆様、日本図書館協会様、ご後援いただいた各団体、開催準備に携わった多くの方々にお礼申し上げます。
情報保存研究会 会長 八木和久

シンポジウムの記録は後日、『ネットワーク資料保存』(日本図書館協会 資料保存委員会発行)に掲載の予定です。


第2回JHK/日本図書館協会共催 資料保存シンポジウム

図書館・アーカイブズにプリザベーション・マネジメントを着地させるには
―「調査と計画、そして実行」のケース・スタディ―

2007年に開催されたシンポジウムでは、資料収集や蔵書構築などの仕事と有機的に連動した、組織的・体系的な取り組み=プリザベーション・マネジメント=を軸にして、資料保存の再構築を提起しました。
今回のプログラムは、この考え方を前提に具体的事例を交え調査から計画・実行への道筋を紹介します。内外から講師を招聘し、図書館やアーカイブズにプリザベーション・マネジメントを着地させるための中・長期的な計画や実行する際の留意点、アナログとデジタルを同じ「資料」として統一的に捉えた資料保存など、保存の現場が日々抱える課題を解いていきます。

日 時 : 2008年10月29日(水)10:00〜18:00(受付9:30)
会 場 : 江戸東京博物館1階ホール(JR総武線両国駅徒歩3分)
プログラム:
「資料保存のマネジメント―ニーズ・アセスメントとリスク管理に基づく―」
Barclay Ogden(カリフォルニア大学バークレー校図書館・保存部長)
「国立国会図書館所蔵資料の劣化に関する調査」―1950〜1990年刊行の和図書について―
村本聡子(国立国会図書館 資料保存課 保存企画係)
「山一證券資料の整理と公開」
伊藤正直(東京大学 大学院経済学研究科 経済学部教授)矢野正隆(東京大学 経済学部資料室特任研究員)
「アーカイブズの資料保存―状態調査とその活用」金山正子(財団法人元興寺文化財研究所 記録資料調査修復室)
「小規模な図書館の資料保存―これまでの20年、これからの10年」佐藤祐一(財団法人石川文化事業財団 お茶の水図書館)
※JHK 会員・関連機関による展示会を併催。


JHK/日本図書館協会共催 資料保存シンポジウム

プリザベーション・マネジメント - 資料保存の新しい地平 -

図書館やアーカイブズの歴史的・文化的な役割は、人間が営々と蓄積してきた知へのアクセスを、現在と将来において保証することにあります。しかしながら 1980年代の後半に提起された「酸性紙問題」は、図書館等のこうした役割を根底から揺るがすことになりました。本や文書などの過去の遺産が、資料が自ら 生み出す酸によって自壊してしまうという問題に対して、世界の図書館・アーカイブズは、資料の保存とはなにか、その方法は、という課題にあらためて取り組 むことになり、これに呼応するように日本でも、さまざまな啓蒙や実践が重ねられきました。

しかし、これまでの国内での流れを振り返ると、資料のなにを(what)、なぜ(why)、保存しなければならないのかが問われることは少なく、どのよう (how)保存するのかという技術論に偏した論議と実践が繰り返されてきたのではないでしょうか。これは、中・長期的かつ体系的な資料保存計画を持つ機関が依然として少数であること、紙媒体資料に代表されるアナログ記録とは性格の全く異なるデジタル記録を、同じ「資料」として捉えることができないこと--等に象徴されるように思われます。

本来、私たちが目指すべき資料保存とは、「なにを、なぜ、どのように」の全てを包含する闊達な活動であるべきです。「どのように」の前に、「なにを、なぜ」と問うこと、技術論ではなく図書館・アーカイブズの資料収集や蔵書構築等の仕事と有機的に連動した、資料保存のための組織的、体系的な取組み=プリザベーション・マネジメントこそ、いま、論議されるべきでしょう。

日時:2007年10月4日(木) 10時〜17時10分 (受付 9:30分から)
会場: 江戸東京博物館1階ホール (JR総武線両国駅 西口徒歩3分)
  
基調講演:資料保存の再設計 - 図書館・アーカイブがその使命を果たすために
安江明夫(国立国会図書館顧問)

学術図書館における戦略的資料保存
小島浩之(東京大学経済学部資料室助手)

特別講演:資料のデジタル化の問題点と将来
石井米雄(国立公文書館・アジア歴史資料センター長)

デジタル情報の保存 - 新たなチャレンジ -
上田修一(慶應義塾大学文学部教授)

アーカイブズ保存の展望 - 沖縄県公文書館の場合 -
大湾ゆかり(沖縄県公文書館修復士)

  「修復」を越えて - 資料のコンサベーションとはなにか -
木部 徹(有限会社資料保存器材代表)

※JHK 会員・関連機関による展示会を併催際します(隣接会場で 12時〜18時)

詳細は開催案内のチラシを → PDF (280KB)


第6回JHKオープンセミナーの記録

「持続可能なデジタル・アーカイブ構築へのビジョン -- 地域情報拠点としての公共図書館を核とした取組みの可能性について」
NPO 法人地域資料デジタル化研究会副理事長
山中湖情報創造館副館長 丸山高弘氏

公共図書館における新しいデジタルアーカイブの可能性について提言していただきました。

日時: 平成18年07月07日(金)18:30〜20:50
場所: 日本教育会館(東京都千代田区)

講演内容 PDFファイル(260KB)
ディスカッション PDFファイル(180KB)

第5回JHKオープンセミナーの記録

「文化遺産デジタルコンテンツ利活用の可能性と課題」

東京国立博物館情報管理室長 田良島哲氏


インターネットの普及と利用環境の大幅な改善によって、社会的に注目されるデジタルコンテンツの分野として文化遺産の情報の利用・流通を促進させることが 話題となっています。しかし、情報を保有している博物館・美術館や文化財所有者・管理者と、利用を求める政府や企業の間では、意識や技術的環境の差が大き く、今後の展開のためには解決が必要な課題が多くあります。そこで、情報保存研究会では東京国立博物館情報管理室長田良島 哲氏に、博物館の立場から近年 の動向を概観し、当事者が共通してプラスの成果を見出すにはどのようにすればよいか、問題提起をいただき、これをめぐる討論を行う機会として下記のとおり 第5回JHKオープンセミナーを開催します。

日時: 平成17年11月25日(金)18:30〜20:50
場所: 日本教育会館(東京都千代田区)

講演内容 PDFファイル(280KB)
ディスカッション PDFファイル(180KB)

第4回JHKオープンセミナーの記録

「 デジタルアーキビストの養成 」
−教育現場からの報告−
岐阜女子大学教授 後藤忠彦氏

第4回オープンセミナーを開催いたします。デジタルアーカイブの開発は、博物館や美術館、図書館、公文書館あるいは各地域などにおいて、所蔵物をはじめと する資料のデジタル化とその流通、利用のために始まっています。これは各企業においても同様であります。これらのデジタルアーカイブの構築と活用には、デ ジタル化のための技術や知的財産などの保護、管理、流通を担う人材が不可欠です。
岐阜女子大学では、このような社会的要請をふまえ、昨年から3ヵ年計画で「デジタルアーキビストの養成」に取り組んでいます。今回はこの養成プログラム開発を進めている同大学の後藤忠彦教授にその内容と今後の課題をお話いただきます。

日 時 : 平成17年6月3日(金) 18時30分〜20時50分

場 所 : 日本教育会館 中会議室 千代田区一ツ橋2−6−2
http://www.jec.or.jp/koutuu/index.html

*セミナー開催案内:PDFファイル(29KB)

*岐阜女子大学「デジタルアーキビストの養成」のページ
http://dac.gijodai.ac.jp/gp-da/

講演内容 PDFファイル(105KB)

第3回JHKオープンセミナー(2004年12月10日開催)の記録

「日本銀行アーカイブの現状と課題」
−立ち上げ期の苦闘の中で考える−

日本銀行金融研究所アーカイブ館長 武藤哲氏




第3回セミナーは、日本銀行金融研究所アーカイブ館長の武藤哲氏に、国の情報公開法令に基づき歴史的資料を保有・管理・公開する施設として2年前にスタートしました日本銀行アーカイブの2年間の運営状況と今後の課題を報告していただきました。

講演内容 PDFファイル(105KB)

 


第2回JHKオープンセミナー(2004年7月2日開催)の記録

デジタル化された人類の記録は次代に残せるのか?
「デジタル情報の長期的な保存とアクセスのために」
国立国会図書館関西館事業部電子図書館課 今野篤(こんのあつし)氏

JHK(情報保存研究会)では、このたび第2回JHKオープンセミナーを開催する運びとなりました。第2回セミナーは、国立国会図書館の電子図書館プロジェクト『電子情報に係る調査研究』(平成15年3月刊*)に携わられた同館関西館事業部電子図書館課今野篤氏による報告です。

*『電子情報保存に係る調査研究報告書』国立国会図書館
URLhttp://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/preservation.html

講演内容 PDFファイル(93KB)


国立国会図書館のホームページに今野氏のご講演の出発点になる報告書および関連する情報として米国議会図書館による共同実施計画の仮訳など数件の報告が掲載されております。

○ 国立国会図書館による「電子情報の長期的保存とアクセス手段の確保のための調査」報告書
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/report_2004.pdf


○「全米デジタル情報基盤整備および保存プログラムに関する計画」(米国議会図書館による共同実施計画・・仮訳)
http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/ndlipp_kari.pdf



第1回JHKオープンセミナー(2003年10月17日開催)の記録


「情報保存の現在(いま)〜未来への扉」
独立行政法人国立公文書館理事 大濱徹也(おおはまてつや) 氏

「資料保存、記録・資料、情報を保存する器としてのアーカイブズとはなにか? なぜ日本ではアーカイブズが社会的に認知されないのか? そもそもアーカイブズとは何なのか?」---- 現在の日本のアーカイブズが抱える根本的な問題を提示し、新しいアーカイブズ文化の創造に向けての扉を開く道を示す。

講演内容 PDFファイル(760KB) 出典:画像情報マネジメント協会発刊「月刊IM」2月、3月号