情報保存研究会は、2011年10月25日に東京・両国の江戸東京博物館において、(社)日本図書館協会と共催で「資料を護り継ぐ―平時も、非常時も―」と題した第5回資料保存シンポジウムを開催しました。当日は、公文書館をはじめとするさまざまな情報保存機関や企業などから多数のご参加をいただきました。
今回のシンポジウムでは、さる3月に発生した東日本大震災をふまえて、資料保存の原点ともいうべき「資料を護り継いでいくということ」を全体のテーマにかかげました。特別講演では3名の講師よりさまざまな観点からお話をしていただきましたが、平常時においても必要となる資料の長期保存に向けたさまざまな取り組みや実際に被災した資料を修復する具体的手法、さらには行政文書を管理するための共通ルールである公文書管理法の実際など、参加者にとっても非常に参考になる幅広い話が続き、中身の濃い内容でした。
また、前回に続いて今回のシンポジウムでも資料保存実用講座が開かれ、会員企業から資料の保存と活用にかかわるツールやシステムなどについてプレゼンテーションが行われたほか、例年どおり会員企業による展示コーナーも設けられましたが、ご参加の方々からはいずれもたいへん業務の参考になったというお声をいただきました。
シンポジウムを盛大に開催できましたことをご参加の方々に厚くお礼申しあげますとともに、報告者の皆様、共催団体の日本図書館協会様、ご後援いただいた団体各位、開催準備に携わった多くの方々にもお礼申しあげます。
情報保存研究会 会長 八木和久
情報保存研究会は、2010年10月29日に東京・両国の江戸東京博物館において、
(社)日本図書館協会と共催で「デジタルアーカイブの最前線―現状と未来―」と題した第4回資料保存シンポジウムを開催しました。
当日は、公文書館をはじめとするさまざまな情報保存機関や企業などから多数のご参加をいただき、参加者は総数で276名に達しました。
シンポジウムでは最初に、昨今、著しい進展をみせているデジタルアーカイブに関して3題の特別講演があり、
「いつでも・どこでも・だれでも」利用できるようにという、基本的なキーワードを念頭においたさまざまな取り組みがご紹介されましたが、デジタルアーカイブを活用する上でとかく見落とされがちな著作権の重要性までをも含む内容でした。
ついで、情報保存研究会の設立10周年を記念した資料保存実用講座が開かれ、
会員企業による資料の保存と活用に関連したツールやシステムなどについてプレゼンテーションが行われました。
特別講演と資料保存実用講座のいずれについても、ご参加の方々からは、
日々の業務を進める上で非常に参考になったというお声をいただきました。
講演にあわせて、会員企業による展示コーナーも設けられましたが、
会場内の各ブースでは企業のスタッフと熱心に話を交わすご参加の方々が多く、たいへんな賑わいでした。
シンポジウムを盛大に開催できましたこと、ご参加の方々に厚くお礼申しあげます。
シンポジウム光景 参加者でにぎわう会員企業による展示コーナー
第4回資料保存シンポジウム 『デジタルアーカイブの最前線―現状と未来』
情報保存研究会(JHK)・(社)日本図書館協会共催
シンポジウムチラシ(pdf 619KB)
日時: 2010年10月29日(金)10:00~17:30(受付9:30)
参加費: 無料(定員300名) 申込締切:10月22日(金)
会場:江戸東京博物館1階ホール 〒130-0015 東京都墨田区横網1-4-1
後援:全国歴史資料保存利用機関連絡協議会・国立大学図書館協会・私立大学図書館協会・文化財保存修復学会・ARM東京支部・企業史料協議会・記録管理学会・全国大学史資料協議会・日本アーカイブズ学会・専門図書館協議会・アート・ドキュメンテーション学会(依頼中も含む)
お申込みは、①お名前 ②ご所属 ③E-mailアドレス(または電話番号)をご記入の上、下記へお願いいたします。(お申込みの際にいただく個人情報は、シンポジウムの実施・運営のみに使用します)
メール: sympo@e-jhk.com (@は半角でお願いします)
FAX: 03-5976-5462
情報保存研究会(JHK)事務局 〒113-0033 東京都文京区本郷1-14-2-71
プログラム
9:30~ 受付
10:00~10:10 JHKあいさつ
10:10~11:00特別講演「国立公文書館デジタルアーカイブ」
国立公文書館 業務課 電子情報係 八日市谷哲生
11:00~11:50 特別講演「デジタル・アーカイブとデジタル・アーキビスト―百年後への伝言―」
常磐大学コミュニティ振興学部教授 坂井知志
11:50~13:20 企業展示
13:20~14:10 特別講演「国立国会図書館におけるデジタル化」
国立国会図書館 企画課 電子情報企画室 課長補佐 上綱秀治
14:10~15:10 資料保存実用講座(その1)
15:10~15:40 企業展示
15:40~16:50 資料保存実用講座(その2)
16:50~17:00 日本図書館協会あいさつ
17:00~17:30 企業展示
資料保存実用講座(発表順)
四国工業写真株式会社: 移動式撮影台、デジタル撮影架台、劣化フィルム対策等について
株式会社インフォマージュ: 重要文化財等古典籍の撮影と画像検索システム
株式会社コスモスインターナショナル: TACベースフィルムの保存について
ナカバヤシ株式会社: 学術資料の電子化、解体から再製本まで
ナカシャクリエイテブ株式会社: 資料整理
株式会社マイクロテック: 簡単操作と高速スキャンで実現する書籍の電子化
フィルムルックス株式会社: 書籍用ブックカバー(糊なし)の設置実演
株式会社マイクロサービスセンター: 大容量画像の高速表示方式によるCD出版事例紹介
株式会社資料保存器材: デジタル化のための原資料の解体・復元・容器収納
株式会社ニチマイ: カラースキャニング機器のご紹介
株式会社国際マイクロ写真工業社: A-D Strips(フィルム酸性度測定紙)のご案内
株式会社プリザベーション・テクノロジーズ・ジャパン: ブックキーパー大量脱酸処理の技術と効果
日本ファイリング株式会社: 大量脱酸(DAE法)のご紹介
株式会社堀内カラー: 大型絵画資料のデジタル化(非接触型上面スキャナ)
企業展示(50音順)---11:50~13:20・15:10~15:40・17:00~17:30
株式会社インフォマージュ: 貴重書のデジタル写真画像(パネル)と画像検索システム(パソコン)
有限会社紙資料修復工房: 保存修復処置のご案内
関東港業株式会社: くん蒸業務、書庫のクリーニング作業のパネル展示
株式会社国際マイクロ写真工業社: マイクロ保存用品の展示
株式会社コスモスインターナショナル: 写真資料の長期保存と活用の提案
四国工業写真株式会社: 移動式撮影台、デジタル撮影架台、劣化フィルム対策
株式会社資料保存器材: コンサベーション技術の紹介とアーカイバル容器の展示
特種紙商事株式会社: 保護紙、保護用品
ナカシャクリエイテブ株式会社: 資料整理、複製製作
ナカバヤシ株式会社: 修理と保存
株式会社ニチマイ: カラースキャニング機器のご紹介
日本ファイリング株式会社: 大量脱酸処理(DAE法)の効果について
フィルムルックス株式会社: 書籍・資料の補修・補強・保存用品の展示
株式会社プリザベーション・テクノロジーズ・ジャパン: ブックキーパー大量脱酸処理のご案内
株式会社堀内カラー: 大型絵画資料やガラス乾板などの古写真資料のデジタル化と保存について
株式会社マイクロサービスセンター: EzMaperを利用した大判資料保存事例紹介
株式会社マイクロテック: 最新型BOOK専用スキャナ
※展示会場では、シンポジウムに関連した図書の販売も行います。