Q1 写真(プリント)の保存って何ですか?
写真画像は我々の文化・社会・生活面を豊かにする手段としてますます多用されるようになり、それに伴って画像の保存性についての社会的ニーズと関心もいっそう増大しつつあります。長期にわたって保存する価値のある写真画像が保存中に劣化し、決定的に破損するようなことはあってはならないことです。しかし現在の写真画像は、長期間の保存性能の点で万全とはいえません。 写真画像の寿命は写真材料、現像処理、保存環境によって左右されますので、我々がこれから先唯一注意できる保存の仕方について適切であるようにすることが必要です。
Q2 写真(プリント)の保存ってどんな方法がありますか?
厳密にいえば19世紀の鶏卵紙と、その後のバライタと、最近のRCペーパーでは保存措置が異なりますが、保存条件としては温度、湿度、包材に注意が必要です。プリントの保存はJIS
K 7642(ISO 18920)で細かく規定されています。また写真包材によって画像が被る可能性のある科学的または写真的な影響の試験方法もJIS K
7617(ISO
18916)で規定されています。使用する包材はこの標準に合格しているものを使用する必要があります。具体的な保存方法を紹介します。 カールを防ぐために立てずに積み重ねて置きます。その場合の高さは5cmぐらいまでとします。プリントとプリントの間にノンバッファーの間紙を挟み、中性紙の保存箱に容れます。貴重なプリントで利用頻度が高ければ複写を作るかデジタルデータを作り、複製を利用するようにします。 上記の措置がとれない場合は、添加物の少ないポリプロピレン、ポリエステルなどでできたファイルにしまい、バインダーに綴じるかハンガーを使いキャビネットに吊し、オリジナルをそのまま利用します。 いずれも同時に大切なことは、JIS規格(JIS
K
7642)による温湿度の許容範囲、15℃〜20℃、30%〜50%にできるだけ近い条件で保存することです。(特にカラープリントの温度についてはきびしい管理が要求されています)
Q3 写真(プリント)の保存ってなぜ必要ですか?
文字では表現しえない貴重な情報をもっている写真画像は、文字情報を長期に保存することと同様に、画像の記録を安全に保管することがますます重要となってきています。このことは、フィルム、デジタル写真でも同じですが、プリントには特別な保存要請があります。それは作家自らが焼付けまで行った唯一無二のオリジナルプリントは特別な価値を持つからです。
(文責 会員企業 潟Rスモスインターナショナル)