Q1 デジタル・アナログ ハイブリッドシステムとは何ですか?
一般に情報管理分野で表現されるときは、デジタル媒体(HD/DVD/CD/FD等)とアナログ媒体(紙・フィルム等)の特性(長所と短所)を、お互いに補完することで情報を担う媒体物としての役割・効用を訴求する「考え方」と「使い方」を意味しています。 最近、アクセス性に優れた各種デジタル媒体と長期保存に優れたマイクロフィルムを補完・共存する媒体との位置付けによる情報管理手法の普及に伴い、「デジタル&フィルム ハイブリッド システム」とのフレーズで使われることが一般化してきました。
Q2 デジタル・アナログ ハイブリッドシステムにはどんな方法がありますか?
以下の2通りの変換フローがあります。 アナログからデジタルへの変換フローと、その逆のデジタルからアナログへの変換フローです。 前者で代表的なのは専用スキャナー、またデジタル複合機による紙情報からデジタルデータへ変換する使い方です。更に最近、普及が進んでいるマイクロフィルムからデジタルデータへ変換するフィルムスキャナーも、アナログ媒体からデジタルデータへ変換する手法と注目されています。 後者はデジタルデータをアナログ媒体へ変換する手法です。大局的な分類に従えば、デジタルデータから紙へ変換するプリンタ・オンディマンド印刷機も範疇ですが、最近、注目されている変換フローとして、プリントアウトが可能なデジタルデータを直接マイクロフィルムに変換する電子アーカイブレコーディングシステムがあげられます。特にセキュリティに弱いデジタルデータの究極のアーカイブ手法として、欧米に続き、日本国内でも注目され始めました。
Q3 デジタル・アナログ ハイブリッドシステムはなぜ必要ですか?
結論的に述べるなら情報を担う媒体として絶対的有利な特徴を有した媒体が、残念ながら存在していないことに起因していると考えます。 一般的に文書のライフサイクルに合致した媒体として下記の棲み分けがなされています。日々 の「活用」は紙媒体・HDD等中心、「保管」は紙媒体・外部記憶媒体(CD-R・DVD-R等中心)、そして「長期保存」はマイクロフィルム中心との位置付けです。勿論、お互いの領域はオーバーラップしています。 大切な点は各種の媒体は共存・補完する関係であるとの見方です。特に、最先端技術に盲目的な信頼感を寄せる国内特有の事情を鑑みた場合、デジタルとマイクロフィルムの補完関係を熟知することは情報資産の有効活用を実現するため必須の事項です。
(文責 富士フイルム梶@産業機材事業部)