Q1 磁気テープにはどんな種類がありますか?
磁気テープには用途によりオーディオ用、ビデオ用、コンピュータ用があります。 オーディオやビデオ用にはアナログ記録方式とデジタル記録方式があります。磁気テープを利用したメディア規格としては、以下のようなものがあります。オーディオ用磁気テープには、アナログ記録のオープンリール、コンパクトカセット、マイクロカセットなど、デジタル記録のものには、DAT(Digital Audio Tape)などがあります。 ビデオ用磁気テープには、D-VHS/VHS 、DV(Digital Video)、HDCAM(High Definition)などがあります。 コンピュータ用磁気テープにはオープンリール、DAT/DDS(Digital Data Storage)、DLT(Digital Linear Tape)、QIC(Quarter-Inch Cartridge)、LTO(Ultrium)(Linear Tape-Open)などがあります。 データ量の少ない民生用のオーディオ用、ビデオ用テープはCDやDVDなどの媒体に替わっているものもありますが、業務用のビデオテープやコンピュータのデータストレージ用としては、記録容量が多く低コストで安全に保管できることから磁気テープが使用されています。
Q2 磁気テープの構造はどうなっていますか?
磁気テープには記録内容・方法、サイズ、カセットなどが規格によって違いますが、データを記録する磁気テープ自体はほとんど同じ組成です。 磁気テープの構造はテープの土台であるベースフィルムに、バインダに磁性粉を混ぜた磁性層からなっています。 帯電防止や搬送性のためにバックコートとコーティング層のあるものもあります。 土台のベースフィルムはPET(ポリエチレンテレフタレート)、磁性粉は酸化鉄、酸化クロム、コバルトなどが使用され、バインダは樹脂で構成されています。 カートリッジはほとんどが樹脂でできています。
Q3 磁気テープの寿命と保存方法は?
各素材の寿命のうち、バインダが一番短いが30年以上は持つだろうといわれています。 しかし、テープ媒体の寿命は、装置の設置環境・取り扱い・メンテナンスなどにより変化します。 テープ装置はハードディスク等とは異なり、定期的なメディアの交換やバックアップ装置のクリーニングといったメンテナンスが必要な装置です。磁気テープ装置は、テープ媒体(メディア)から出る汚れや、空気中に浮遊している塵埃により、テープ装置の磁気ヘッドが汚れてしまいます。汚れたままのヘッドがテープ媒体に接触してテープ媒体の表面を傷つけるため、テープがすぐに傷んでしまいます。取り扱いや保存には下記の注意が必要です。 (1) テープ装置(ドライブ)にテープ媒体を入れっぱなしにしない (2) テープはきちんと巻き戻してケースに収め、 立てて保存 (3) 強い磁気には近づけない (4) 保存はチリやホコリの少ない場所 (5) テープ装置(サーバ)の設置環境は塵埃に十分配慮する
(文責 情報保存研究会)