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情報保存Q&A 19.保存展示

Q1 展示って何ですか?

展示とは一般的に「物」(作品)をならべて広く人に観せることです。(広辞苑参照)この項では、博物館、資料館、文書館を中心に述べていきます。
博物館や資料館では、収集した資料を保存処理後、収蔵庫で大切に保存します。しかし、一般の人々にはどこの資料館に、どのような資料が保存されているのかわかりません。その情報公開がなければ、「死蔵品」となってしまいます。
資料活用の方法として、資料の「公開展示」が広く求められています。
そこで資料管理者が、展示方法「目的、時期、場所など」を入念に検討し、その情報を開示する必要があります。情報を受けて人々は展示資料を観覧することができます。

Q2 展示にはどんな種類や方法がありますか?

平常では長期間展示する種類として「平常展」があり、資料館の主たる収蔵品の展示が一般的です。短期問展示する種類では「記念展」、「特別展」、「企画展」があります。記念展、特別展とは豪華な展示手法の一つです。一方、企画展とは規模の小さいものを指し、展示資料としては、主に収蔵品が対象となります。
展示方法としては、オープン展示法と、ケース内展示法があります。オープン展示例では和本の作成過程による、資材や道具類等の展示があります。ケース内展示にはデリケートな資料として紙、絹、写真資料が展示されることが多いようです。ケース内展示では壁付ハイケースよりも、覗き型ローケースの方が、資料を見やすく演出することができます。

Q3 保存展示はなぜ必要なのですか?

常設展では2〜3ヶ月で1回、特別展でも月に2回程度展示入れ替えを行っています。これは資料保護のためです。日本画や絹資料は、光に弱いので展示ケース内照度をかなり低くしています。資料保存には光(紫外線、赤外線等)や温度、湿度管理が最も重要です。また展示室や展示ケースの材質から発生する、VOC(ホルムアルデヒド等揮発性物質)を防ぐ必要があります。
特に紙、絹、資料、写真資料には、展示室や展示ケース内の酸性雰囲気が悪影響を与えています。それらの資料展示には中性雰囲気を必要とします。これからの展示においては、中性雰囲気に改善していく必要性があります。そのためには、表面素材の市販品として、「酸性バリア紙」や「中性の布クロス」、「中性の接着剤」等を用い、早急な対処がもっとも重要な課題となっています。
展示において、それらを改善することにより資料保存が可能となります。
(文責  虚ロ存展示環境研究所)

  

 


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